集客”ホット“に、仙台市がてこ入れ 秋保・作並温泉

 仙台市は、宿泊客が漸減している秋保温泉(太白区)、作並温泉(青葉区)のてこ入れに乗り出す。各旅館の営業担当者を対象に、顧客獲得のノウハウを習得する研修会を今月末に開始。首都圏からの団体旅行に狙いを定め、11月下旬には東京で企業、団体向けに商談会を開催し、巻き返しを図る。
 市によると、秋保温泉の宿泊者数は2002年の約103万人をピークに減り始め、09年は02年比21%減の約81万人に落ち込んだ。作並温泉の09年の宿泊者数は約27万人で、約33万人だった04年比20%減と同様に苦戦。市全体の宿泊者数が08年まで9年連続で増加した状況とは対照的だ。
 「仙台の奥座敷」と称される両温泉は団体旅行、大口の忘年会などの利用が多かったが、近年は景気低迷に加えて旅行の形態が多様化。集客を旅行代理店に依存してきた経緯もあり、各旅館が営業力を高め、自立的にビジネスモデルを再構築することが課題になっている。
 研修会の内容は市内のコンベンション企業に委託。(1)ニーズの把握や強み、弱みの自己分析(2)営業の交渉術(3)パンフレット制作をはじめ効果的なPR―など、顧客獲得に直結する知識や技術を磨き、団体旅行だけでなく、個人や外国人の集客にもつなげる。
 初回は市内で28日に開き、来年3月まで月に1、2回のペースで続ける。両温泉合わせて15旅館の営業担当者が参加する予定。また、東京で開く商談会に向けて、今月発足した経済局と東京事務所による庁内組織「首都圏プロモーションチーム」が、数十社の参加を目標に企業や団体への声掛けを積極的に展開する。
 今回のプロジェクトを指揮する民間出身の伊藤敬幹副市長は「首都圏は企業誘致と同じく、観光面でも大きな市場」と指摘。「秋保、作並ともに交通の便が良い上、市中心部や松島、山寺(山形市)といった観光地も近く恵まれている。首都圏プロモーションチームを活用し、私も可能な限り陣頭に立って成果を挙げたい」と話している。

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