雲海に浮かぶ天空の城“異常人気”…来場者24倍に、「有料化」なんのその

 雲海に浮かび上がる「天空の城」として人気のある兵庫県朝来市和田山町の国史跡「竹田城跡」で、市は10月1日から観覧料300円(高校生以上)の徴収を始めた。幻想的な風景を目当てに観光客が急増しており、警備費や史跡の維持費に充てるためだ。10年前までは“無名の山城”だったが、近年、雲海の写真や映像が各種メディアで紹介され、高倉健さん主演の映画の舞台にもなったことから人気が沸騰、昨年度は約24万人が訪れた。来年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」のロケも行われ、さらに加熱しそうなブームの背景を探った。(豊岡支局 谷下秀洋)
 
300円徴収も大半は満足
 1日午前3時から始まった観覧料の徴収。記者はそれに先立つ同1時半ごろ、竹田城跡の中腹駐車場に着いた。竹田城跡は兵庫県中部に位置し、近くにはJR播但線の竹田駅、姫路市につながる「播但自動車道」と大阪方面を結ぶ「北近畿豊岡自動車」が合流する和田山インターチェンジがある。
 未明のこんな時間ながら、間もなく1台の車が駐車場に入り、2人の男性が降りてきた。2人は鳥取県米子市の30代の会社員で、大阪への出張の帰りに立ち寄ったという。「雲海を撮影するため、市のホームページを見て早く来ました。(遅くなれば)いい撮影場所が確保できないので」といい、カメラや三脚を担いで約700メートル先の城跡に向かった。300円の観覧料については「史跡の維持に使われるのならいいこと」と話した。

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