電力料金新メニュー空振り?東北電力 加入わずか50件

 東北電力がことし7月に導入した家庭向け新料金メニューが苦戦している。電気料引き上げの緩和策と位置付けているが、9月末現在の加入件数はわずか50件。利用者が利点を実感しにくいのが要因とみられ、本年度内に5500件という加入見込みとは大きな開きが出ている。
 新メニューは、家計の負担軽減を目的に導入された。電力需要が膨らむ夏場のピーク時間帯(午後1~4時)の料金を高く、夜間など他の時間帯を安く設定したのが特徴で、生活スタイルによっては電気代の抑制につながる。
 利用者の反応が鈍い背景には、知名度不足に加え、割安感が実感しにくい事情がある。
 新メニューで最も安い夜間時間(午後11時~午前7時)だと、1キロワット時の単価は10.62円。既存の主にオール電化世帯を対象にした夜間料金も最安値が10.62円と同額だ。メリットを受けるには時間帯ごとの細かい計算が必要で、せっかく契約変更しても月々の支払額をどれだけ圧縮できるか算定が難しい。
 東北電は2015年度中に、1万5000件の加入を予定する。同社は「丁寧なコンサルティングを心掛け、知名度不足を解消したい」と話している。

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