充電方法は大きく分けて2種類存在する
近い将来、電動車が中心となることがアナウンスされている自動車業界。だからといってすぐにすべての自動車が電気自動車になる、というわけではないものの、なかには電気自動車が気になっている人もいるのではないだろうか?
現在、ものすごいスピードで進化を続けている電気自動車だけに、なかには数年前のイメージのまま電気自動車にネガティブなイメージを持ったままの人もいるかもしれない。
そこで今回は電気自動車オーナーだから分かる、電気自動車の充電にまつわるリアルな情報をお届けしたい。
1)充電の方法は2種類だが、じつは細分化されている
電気自動車の充電の方法は大きく分けて2種類。自宅などの充電で用いられる「普通充電」と、高速道路のサービスエリアや各ディーラー、ショッピングモールなどに備わっている「急速充電」だ。
しかし、一口に普通充電や急速充電といっても充電量に違いがあるのだ。家庭用の普通充電用コンセントは100Vと200Vの2種類があり、当然ながら200Vのほうが早く充電することができる。
そして急速充電器に関しても、最大で100kWもの大容量を充電できる超急速充電器と呼ばれるものから、最大で20kWほどしか充電できない“中速充電器”と呼ばれるものまで幅広くなっている。
また、タイカンをリリースしたポルシェや、EVベンチャーの雄であるテスラなどは独自の充電ネットワークを構築しており、これ以上の速度で充電することも可能となっているのである。
充電速度は環境によっても左右される!
2)充電の速度は気温やバッテリー残量に影響される
普通充電においてはゆっくりと充電が進んでいくため、充電時間が環境に左右されることは少ないが、一度に多くの電気を送り込む急速充電では、さまざまな環境によって充電量が変化してしまう。
たとえば、高速道路のサービスエリアなどに設置されている急速充電器の出力が40kWだとすると、30分間の充電で20kWの充電が可能となる。しかし、実際はそれ以下の数値に留まることが多いのだ。
じつは電気自動車のバッテリーは熱すぎたり、逆に冷えすぎていたりすると充電効率が落ちてしまう。また、満充電に近くなればなるほど充電スピードが落ちるという特性がある。
そのため、状況によっては予想以上に充電されていなかった……ということも珍しくないのである。
3)自宅での充電は割高?
日産が大々的にアピールした定額で充電し放題というプランがあったために(現在は廃止)、自宅での充電は損というイメージがあるかもしれないが、深夜帯に電気代が割引なるプランなどを利用すれば、1kWhあたり10円ちょっとで充電することができる。
つまり、40kWhのバッテリーを搭載しているリーフであれば、完全に空の状態からでも400円で満タンにすることができるという計算だ。これでWLTCモード電費の322kmは厳しくても、250km以上は走れるだろうから、コストパフォーマンスはハイブリッドカーの比ではない。