経済産業省は、2023年5月16日に大手電力会社7社の「電気料金値上げ認可申請に係る補正書」を受理しました。
これにより、6月から電気料金が値上げとなる見通しです。
各電力会社の値上げ幅はどの程度で、家計にはどれだけ影響を及ぼすのでしょうか。
また、現在の電気料金は、「激変緩和措置」により、標準世帯で月2,800円の負担軽減がされています。
「激変緩和措置」が終了する9月以降は、さらに家計の負担が大きくなることが予想されます。
この記事では、6月以降の各電力会社における電気料金や家計負担、9月以降の「激変緩和措置」の見通しについて解説します。
6月以降の値上げ幅と標準モデル家庭の電気料金
2023年6月以降に実施される値上げ後の電気料金は下表の通りです。
電気料金が6月から値上げ。本当に怖いのは9月以降。待ち受ける家計の負担は© MoneyFix
出典:経済産業省「査定方針(概要版)」より作成(以下同)
「標準的な家庭モデル(1ヵ月400キロワットアワー)」の場合、値上げ後の電気料金は、およそ1万6000~1万9000円です。
値上がり幅は、沖縄電力が5,323円と最も大きく、値上げ率は、北陸電力が42%と最も大きくなりました。
家計への本格的な影響は9月以降
関連するビデオ: 電気料金の値上げ、政府が了承 大手電力7社が申請…6月にも値上げへ (日テレNEWS)
読み込み済み: 73.17%再生
現在の時刻 0:00
/
期間 0:49QualitySettings全画面表示
日テレNEWS
電気料金の値上げ、政府が了承 大手電力7社が申請…6月にも値上げへミュート解除
0
家計の負担が本格的に重くなり始めるのは、9月以降でしょう。
現在、政府は電気料金の負担を軽減する目的で、「激減緩和措置」として、1キロワットアワーあたり7円の補助を実施しています。
「標準的な家庭モデル(1ヵ月400キロワットアワー)」の場合、月2,800円分が値引きされます。
電気料金が6月から値上げ。本当に怖いのは9月以降。待ち受ける家計の負担は© MoneyFix
出典:経済産業省エネルギー庁「電気・都市ガスをご利用するみなさまへ」
「激変緩和措置」による負担軽減を加味すると、6月以降の電気料金は以下の通りです。
・北海道電力:1万6085円
・東北電力:1万3857円
・東京電力:1万3722円
・北陸電力:1万3079円
・中国電力:1万4014円
・四国電力:1万3323円
・沖縄電力:1万6597円
※1ヵ月あたり400キロワットアワーを使用した場合
しかし、「激変緩和措置」による負担軽減は、2023年9月で終了する予定です。
つまり、「標準的な家庭モデル(1ヵ月400キロワットアワー)」の場合、6月以降の電気料金の値上げで、月約3,000~5,000円の負担増となり、9月以降「激変緩和措置」が終了すると、さらに2,800円の負担が増えることになります。
現在、政府は「激変緩和措置」に代わる援策を提示しているわけではありません。
そのため、2023年冬の電気料金は、昨年以上に高額になることが予想されます。
電力の無駄な利用をなるべく避けて、電気代の見直しをしておく方がよいかもしれません。
電気代の節約方法については、こちらの記事「【電化製品別】電気代の手軽な節約方法を詳しく解説」も参考にしてみてください。
出典
・経済産業省エネルギー庁「電気・都市ガスをご利用するみなさまへ」