貧困や気候変動の問題に取り組む仙台市の若者団体が9月に東北電力に提出した家庭向け電気料金引き上げに関する公開質問状を巡り、団体側は3日、東北電から届いた回答書の内容を明らかにした。東北電は2024年3月期に過去最高の純利益を見込む点について「過去2年で大幅に増えた借金を減らすのが急務。顧客、株主、従業員らにそれぞれ負担をお願いしている」と理解を求めた。
東北電は回答書で、顧客に値上げの負担を求めた一方、24年3月期の中間配当として1株当たり5円を復配するのは「最低限の水準。今後の資金調達などへの影響を考慮した」と説明。株主だけを優先したわけではないと強調した。
東日本大震災後、運転停止が続く女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の安全対策工事費については「投資回収は可能」と回答。火力発電に関しては「再生可能エネルギーの活用には調整力となる火力も重要だ。一足飛びに化石燃料から脱却できない」と指摘した。
若者団体は、NPO法人フードバンク仙台と同POSSE仙台支部の有志でつくる「ライフライン無償化プロジェクト」と、「Fridays For Future(未来のための金曜日)Sendai」の2団体。メンバーは「東北電の財務諸表の分析を進めており、電気代引き下げを求める署名活動や電気代高騰の背景を考えるイベントを検討している」と話す。