大手広告代理店の営業マンともいえばある種の花形。彼らはいったいどのような手腕で仕事をとっているのでしょうか? その営業ノウハウを紹介した一冊の本が少し前に発売され、ネットで話題になっています。タイトルはズバリ『戦略おべっか どんな人でも、必ず成功する』。
この本では、最大手広告代理店・電通の営業マンに伝わるビジネスマナー35個が書かれています。中には「ビジネス・メールに親しげな言葉は使わない」など社会人として当たり前すぎるもありますが、「そこまでするか!」なんて目からウロコ的なものもあったり。そのいくつかを紹介すると……。
●得意先の吸っているタバコを常に携行する
●ボールペンは同じ安物を必ず2本持ち歩く
●接待の席には、相手の家族向けのおみやげを用意する
●ゴルフでは消しゴムを持ち歩く
●荒れたグリーンはこまめにフォークで整える
●葬儀用に、白黒の名刺を用意する
●トヨタの人を接待して送るときはトヨタ車のタクシーを拾う
●土下座は一晩置いて翌日みんなでする
などなど。さすが最大手広告代理店として君臨するだけはありますね! ゴルフには消しゴムとフォーク持参とは。仕事だけでなく接待ノウハウも完璧だ! 上を読んで「どうして?」と思った方はぜひ実際に本を手にとってみてくださいね。
この本を手がけたのは、あのホイチョイ・プロダクションズ。ホイチョイプロといえばバブル期にさまざまなトレンドを生み出したクリエイターズ集団。バブル世代にはたまらなく懐かしい響きをもって聞こえるものと思いますが、いまの20代の方たちはやはり『私をスキーに連れてって』とか知らないんですよねぇ、やっぱり。あの映画の原田知世は本当にめちゃくちゃ可愛かった……。
それはさておき。おべっか、それも戦略とつくとよいイメージを抱かない人もいるかもしれませんが、本の帯にあるのは「気配りのすすめ」の文字。そう、おべっかとは日本人的なビジネスマナーや気配りの究極のカタチなのかもしれません。「先生不在、先輩不在、大人不在の現代、誰も教えてくれない社会人として生き延びる具体的マナーを厳選」と紹介されているとおり、営業マンだけでなく会社で働くすべての人に役に立つであろう一冊ですよ。
(文=鷺ノ宮やよい)