仙台空港とJR仙台駅を鉄道で結ぶ仙台空港アクセス線は3月18日の開業から1カ月を迎えた。利用者は1日当たり約1万人で、開業前の需要予測を達成している。利用者数はリムジンバスを圧倒したものの、マイカー利用者の取り込みについては、まだ目に見える成果が上がっていないようだ。
宮城県など出資の第三セクターで、仙台空港―JR名取駅間を経営する仙台空港鉄道(名取市)によると、1日の利用者は4月に入り約1万人で推移。詳細は集計中だが、2万人を超えた日もある開業時の混雑は解消された。
駅別の1日の乗降客は、周辺が未整備の「美田園」が数百人で、大型商業施設、ダイヤモンドシティ・エアリに直結する「杜せきのした」と「仙台空港」が約5000人ずつとみられる。
一方、愛子観光バスと東日本急行(いずれも仙台市)の2社が参入した空港リムジンバスは乗客ゼロの時間帯もあり、厳しい滑り出し。今後は、座ってビジネス街に直行できる利点を強調し、需要開拓に努める。
愛子観光バスの佐藤善一社長は「まだ採算ライン以下だが、徐々に上向いてきた」と長期戦覚悟の構え。東日本急行は栗原、登米市と仙台駅前を結ぶ高速バスとの乗り継ぎ割引や、電子マネー「エディ(Edy)」導入で巻き返しを図る。
鉄道とバスの競争を遠巻きに見守るのが空港周辺の有料駐車場。ある大手駐車場は「利用客が若干減った印象だが、今はもともと旅行客が減るシーズン。大型連休の客足をみて判断したい」と模様眺めの雰囲気が色濃い。
空港鉄道の八木功社長は「1カ月だけで成果を論じるのは難しい。今後は沿線開発の進展や、航空利用の伸びに期待したい」と話している。
2007年04月19日木曜日
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