震災つづった8作品 英訳版で世界へ発信

東日本大震災の体験を被災者自身が執筆した作品の英訳版が完成し、書籍サイトで23日発売される。再生はまだ道半ばであることを、英語で紡ぐメッセージで世界に発信。関係者は震災の記憶を風化させないことの後押しにつなげたいと願う。
書籍の企画販売やインターネット事業を手掛けるヒロエンタープライズ(東京)が制作した。昨年3月に日本語で出版した随筆や短歌、ドキュメンタリーなど10作品のうち8作品を英訳した。
翻訳作業は、宮城県内の大学でつくる復興大学災害ボランティアステーションや宮城県国際化協会に登録する翻訳ボランティアらが協力。執筆者が日本語で書いた被災状況や思いが伝わるよう、表現を磨き上げた。
ヒロエンタープライズ代表の谷代浩さん(44)は「特に首都圏以西で震災の風化が進んでいる」と懸念する。日本語版と英語版の両面から支援の必要性を訴え、「国内外の視線を被災地へ向けさせたい」と話す。
価格は電子書籍で1冊300~400円、製本された形で購入するオンデマンド出版は1000~1200円。ウェブの「アマゾンキンドル」や「ウェブ書斎」などで販売する。連絡先は03(5761)9523。

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