先の大震災後、被災者の救護や瓦礫の撤去、炊き出しから橋梁の架設まで、多くの支援活動で注目を集めた自衛隊。その活躍がマスコミに大きく取り上げられた影響で自衛隊の活動に興味を持ち、さらに深く知りたいと考える人が増えているという。
日本に陸・海・空の各自衛隊の装備が間近で見られる広報施設があることは、これまであまり知られていなかった。昨年には“運営費の無駄”との批判も受け、陸自と空自の広報施設は事業仕分けの標的にもなった。
しかし前述の通り、震災での活躍を目の当たりにしたことでいま自衛隊テーマパークは大盛況。陸自の広報センター(りっくんランド・埼玉県朝霞市)は年間12万人、空自(エアーパーク・静岡県浜松市)は年間30万人、海自(てつのくじら館・広島県呉市)に至っては年間35万人の来館者数を誇る。
それぞれ入館料は無料。各自衛隊の車両から装備が揃い、原寸大での展示物も多い。いずれも艦内や戦闘機のコックピットにも入れるので、子どもたちも楽しめる。特に陸自の広報センターには、いままさに東北で支援活動を行なっている特殊車両や隊員の装備が展示されている。自衛隊の過酷な環境での活動が、テレビの向こうの出来事ではないことを実感するだろう。
被災地に限らず、自衛隊は今日も日本の銃後を守っている。彼らの活動を知ることは、我々にとっても深い意味のあることなのかもしれない。
※週刊ポスト2011年11月4日号