震災の記憶、継承に願い 山形で気仙沼さんま祭り

山形県在住の宮城県気仙沼市出身者らでつくる「やまがた気仙沼会」は8日、山形市の霞城公園で「第12回気仙沼さんま祭りin山形」を開いた。新型コロナウイルスの影響で2020年から中止が続き、開催は4年ぶり。震災の発生年にちなみ、2011匹の気仙沼産サンマを無料で提供した。

 脂が乗ったサンマを炭火で焼く、香ばしい匂いが会場に立ち込めた。不漁の影響で確保が危ぶまれた生サンマも数多く提供されたという。来場者は焼き上げられたサンマをカボスと大根おろしで味わった。

 震災発生当時や復興の様子を伝える写真展示もあり、足を止めてじっくり眺める人の姿もあった。

 5歳と7歳の娘たちと訪れた山形市の会社員井上文昭さん(37)は「脂が乗っていておいしかった。娘たちも喜んだので、震災のことも少しずつ伝えていけたらいい」と語った。

 やまがた気仙沼会の武田満会長(77)は「最近は『復興は終わったんじゃないの』と言われることもあり残念だ。気仙沼はまだ復興途上にあり、これからも応援してほしい」と話した。

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