東日本大震災後、宮城県岩沼市で大雨時に下水道のマンホールから汚水があふれ出す事態が続いていることが19日、分かった。市は県が運営する阿武隈川下流流域下水道の最下流にあり、県は下水処理区域の11市町と協力して雨水の流入原因を調べる。
県や市によると、汚水があふれ出すのは県道仙台空港線や市道の下水道マンホール。震災後に複数回発生し、ことし9月の宮城豪雨でも起きた。市は、周辺で消毒剤をまくなどの対応を取った。
阿武隈川下流流域下水道は仙台(太白区の一部)、白石、名取、角田、岩沼5市と蔵王、大河原、村田、柴田、丸森、亘理6町が利用し、流域人口は約30万人。岩沼市内の県南浄化センターで汚水処理し、海に放流する。
県内では、仙塩流域下水道の下流にある多賀城、塩釜両市でも同様の被害が発生している。県下水道課は「震災による地盤沈下などが影響している可能性がある。調査を進める」と説明する。
下水は、民家などの管から自治体の下水道を通じて県の流域下水道に流れる。雨水は本来、下水道に流入しない構造になっている。