東日本大震災を後世に伝える震災遺構の在り方を話し合う仙台市震災復興メモリアル検討委員会は14日、本年度初会合を市役所で開いた。市は震災記録を保存し、次世代に継承するアーカイブ拠点を、若林区荒井地区に整備する方針を示した。
市の構想では、沿岸部と市中心部の拠点で、震災アーカイブに取り組む。このうち沿岸部が荒井地区で、津波被災地に近く交通の利便性の良さを生かして被災地を訪ねる起点にしたり、「震災遺物」を展示したりする施設を新設する。
市中心部ではせんだいメディアテーク、市博物館、市歴史民俗資料館など既存施設をネットワーク化し、記録の収集や編集、発信を担う。
出席した委員10人はおおむね賛成した一方、「丘陵部宅地の地滑り被害を伝える視点が欠けている」「もっと海よりに設けるべきだ」といった指摘も出された。
検討委は2013年7月に始まり、7回目。14年中にあと2回集まり、震災メモリアル施設の基本理念やアーカイブ拠点に関する報告書をまとめる。