東日本大震災の教訓をどう伝えていくかを考える「東北大片平レクチャー2014 震災残すべき記憶とかたち」(東北大、河北新報社主催)が16日、仙台市青葉区の同大片平さくらホールであり、市民ら約150人が参加した。
東北大の西弘嗣学術資源研究公開センター長と保田真理災害科学国際研究所助手、河北新報社の今野俊宏報道部長、米スミソニアン自然史博物館の知念淳子主任が講演。
同大のマーティ・キーナート特任教授を進行役に、4人によるパネル討論もあった。震災遺構をめぐり、保田氏は「実物として残すことが必要。結論を早く出せという政府の方針は酷だ」と指摘。知念氏は「震災を体験していない私でも、遺構を見て触れることでつながることができる」と語った。
風化を防ぐ手段として今野氏は「修学旅行で日本中の中高生が被災地を訪れてほしい」と述べ、西氏は「震災の記録と記憶を若い世代に継承することが、最終的に子孫の犠牲者を少なくすることになる」と訴えた。