【AFP=時事】アルプス山脈の下を走る、全長57キロの世界一長い鉄道トンネルが6月1日、スイスで開通する。
この度開通する「ゴッタルド・ベース・トンネル(Gotthard Base Tunnel)」は、オランダ・ロッテルダム(Rotterdam)とベルギー・アントワープ(Antwerp)をアドリア海(Adriatic Sea)の各港へ結ぶ重要路線となる。建設が持ち上がったは1947年のことだが、着工されたのは17年前。総工費は推定120億ドル(約1兆3100億 円)で、これまで約2820万トンの岩石が取り除かれてきた。
欧州委員会(European Commission)のビオレタ・ブルツ(Violeta Bulc)運輸担当委員は、スイス紙ターゲス・アンツァイガー(Tages-Anzeiger)に対し、新トンネルは「欧州の成長をけん引」し、南北の移 動はよりスムーズになり、大気汚染も削減されるだろうと語った。新トンネルの開通によりスイス・チューリヒ(Zurich)と伊ミラノ(Milan)間の 移動時間は、現在よりも約1時間短縮され、2時間40分となる。
開通式にはアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相やフランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領、マッテオ・レンツィ(Matteo Renzi)伊首相らが出席する予定。今後数か月間は試験走行が行われ、12月から本格的な運用が開始される。
ゴッタルド・ベース・トンネルは日本の青函トンネル(Seikan Tunnel、全長53.9キロ)を抜き、世界一長いトンネルとなる。3位は英仏を結ぶ英仏海峡トンネル(Channel Tunnel、50.5キロ)となる。
【翻訳編集】AFPBB News