青森県や漁協などによる陸奥湾の養殖ホタテの成育の実態調査の結果がまとまり、青森市内で16日、関係者への説明会があった。昨年の高水温の影響で、将来親貝となる成貝用(2023年産)の保有枚数が平年比で半減し、7459万枚となった。
昨夏の高水温でホタテがへい死した影響を受け4月30日時点で、直近5年平均の保有枚数(1億6615万枚)の45%と落ち込んだ。現在の集計方法になった2009年以降最少だった。
一方、昨年生まれた「半成貝」のへい死率は全湾平均2・8%で平年値(4・9%)より低く、異常貝率も同2・6%で平年値(4・4%)をやや下回った。今年の成育状況は順調に推移している。
説明会には関係者約60人が出席。県などは親貝確保の対策として、高温時には施設をできるだけ水温の低い下層に沈め、動かさないよう養殖管理の徹底を呼びかけた。
調査に協力したむつ湾漁業振興会の立石政男会長は今夏の高水温を警戒し「自然環境には勝てないが、何とか乗り越えたい。やませが吹き、雨が降って水温を下げてほしい」と願った。
調査は毎年春と秋に陸奥湾内で実施され、今回は5月20~31日に湾内10漁協でへい死した数や異常の有無を確認した。6月6日まで聞き取り調査も行った。