化石採集地として知られる竜ノ口渓谷に隔てられた仙台市青葉区の青葉山と、太白区の八木山の地域資源を掘り起こす市民団体「青葉山・八木山フットパスの会」(青葉区)が、両地区の散策マップを制作した。12日から市内の書店で販売しており、地質や自然、歴史など多角的視点から地域の魅力を体感してもらおうと活用を呼び掛けている。
完成した「青葉城奥の細道 青葉山・八木山フットパスガイドマップ」は、同会がこれまでに行ったイベントで歩いたルートを基に計8コースを設定、収録した。
いずれも市地下鉄東西線の駅が起点または終点。距離は1.2~4.7キロで、所要時間は50分から2時間10分程度。
初級の「青葉の森・金剛沢コース」は、青葉山駅を出て東北大青葉山キャンパスや国・市有林を通り八木山動物公園駅を目指す3.8キロ。1時間半の道中には、江戸時代に仙台藩主が馬で通ったとされる山道の痕跡が見られる。
中級の「亀岡八幡コース」は青葉山駅から50分間歩き2.1キロ先の川内駅に抜ける。ほぼ中間に、俳人松尾芭蕉が訪れた亀岡八幡宮の石段が残る。
両面カラー、A3判四つ折り。青葉山から八木山、八木山から青葉山を望む鳥(ちょう)瞰(かん)図にコースを配置したデザイン。レイアウトは、東北大大学院工学研究科の都市・建築デザイン学講座の井上宗則助教と学生たちの協力を得た。
同会代表の農業大場啓寿(けいず)さん(69)=太白区=は「私たちが歩き確かめた地域の魅力を詰め込んだ。市外の人や留学生にも興味を持ってもらえたら」と語る。
1部270円。丸善仙台アエル店や金港堂本店(いずれも青葉区)などで取り扱っている。連絡先は青葉山・八木山フットパスの会事務局の内山隆弘さん070(5091)4896。