仙台市は2011年度以降、主要幹線道路「青葉通」の大幅な再整備に取り組む。片側3車線を2車線に減らすとともに、歩道の幅員を1.5倍に広げる。市中心部の主要幹線道路で車線を減らすのは初めてで、市地下鉄東西線の建設で伐採されたケヤキ並木も復活させ、杜の都のシンボルロードとしての魅力を向上させる。
再整備するのは、西公園通から東二番丁通までの約1キロの区間。現在、36メートルある道路の幅員は変えず、歩道側の車道を1車線ずつ減らして片側2車線にする。タクシー乗り場や荷さばき帯などの駐停車スペースも設け、渋滞が生じないようにする。
歩道は現在の6メートルから最大9.25メートルに拡幅し、市民が気軽に休憩できるよう、ベンチを設置する。東西線工事に伴い、街路樹のケヤキ44本が伐採されたことから歩道拡幅に合わせて植え直す。透水性の高い舗装を施し、ケヤキの良好な生育環境を確保する。緑豊かな街の彩りを補うため、歩道の各所に花壇も配置する予定。
市は車線を減らすことで都市への車の流入を抑え、地下鉄東西線などの軌道系公共交通の利用を促す。道路を新たな緑の空間に変えることで、「杜の都」という都市の個性をグレードアップさせる狙いもある。
市は11年度に道路設計を行い、12年度に着工。14年度までに整備を完了し、15年度の東西線開業に間に合わせる。東二番丁通から東側の560メートルの区間についてはバスプールの再編計画が固まっていないため、市内部の検討結果を踏まえて2期工事として整備する。
市道路計画課は「新たな青葉通は歩行者にもケヤキにも優しい環境になる。車線を減らすことで二酸化炭素の排出削減にも貢献する地下鉄の利用が増え、コンパクトシティーの構築につながればいい」と話している。