賞味期限切れ前の非常食をおいしくいただきましょう-。市販の非常食をアレンジしたレシピで競い合う大学、高校生向けのコンテストが仙台市であり、多賀城高(宮城県多賀城市)の災害科学科1年吾郷(あごう)みさきさん(16)による乾パンを活用した「非常食を使ったグラタン」が大賞に輝いた。
吾郷さんは、炒めたタマネギ、ジャガイモ、鶏肉などにトマトソースを加えて煮込み、牛乳で浸した乾パンとチーズをのせて焼いた。賞味期限が切れて非常食が捨てられてしまうことによる食品ロスを減らすため、非常食を定期的に食べて補充する「ローリングストック」を意識したという。
コンテストは非常食を日常に溶け込ませ、防災意識を高めてもらおうと日用雑貨・防災用品卸の西谷(山形市)が主催し、今回で3回目。書類選考を通過した8団体・個人が参加し、10月20日に仙台市青葉区のカゴメ東北支店で行われた。
参加者はそれぞれ、レシピに込めた防災の意図などを説明。協賛企業の社員らが試食して味を確認し、調理のしやすさなども考慮に入れて審査した。
「レシピや防災への思いを伝えることができた貴重な経験だった。将来は食育活動などで人の健康に寄与したい」と吾郷さん。準大賞のカゴメ賞は「トマトスープ蒸しパン」の多賀城高災害科学科1年及川大智さん(16)、尾西食品賞は「乾燥りんごのカレーリゾット」の山形西高(山形市)が選ばれた。