子供たちがつるんで悪さをするのは脳が未発達なためだとする研究報告をテンプル大の心理学者ローレンス・スタインバーグさんらが発表した。諭したところで仕方がなく、悪さをしないよう厳しくするべきだとしている。
近年の研究では、人間の脳は18歳になるまで不完全だと指摘されている。また、脳は論理的思考などをつかさどる部分が先に発達してから、感情をコントロールする部分が発達するといわれる。
スタインバーグさんらはとくに「仲間と一緒になった場合」の感情のコントロール機能を調べているが、研究の結果、「子供たちはいけないと分かっていても、つるむと悪さをしてしまう」と指摘。子供自身でコントロールできない以上、大人がするべきだとして、運転免許証取得可能年齢の引き上げや、たばこの値上げ、飲酒の罰則強化などを提案した。
フィラデルフィアの心理学者マイケル・ブラッドレーさんも同じ意見で、「ドラッグはやらないと誓った子供も、金曜日の夜に仲間と一緒になると、その誓いは脳から消えてしまう。大人のように神経的なブレーキが利かないのだ」と話す。
スタインバーグさんは、子供たちをドラッグや飲酒などから遠ざけるための教育プログラムに巨額の資金を投入することには懐疑的な見方を示しており、実際、1980年代の「ドラッグ・アビュース・レジスタンス・教育プログラム」のように効果がほとんどなかった例もある。
ブルッキングス研究所の子供・家族センターのイザベル・ソーヒルさんは「優れた研究だが、教育プログラムが無意味だと考えるのは極論だ」と話している。(ワシントン シャロン・ジェーソン)
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