韓国、日本への渡航自粛? ちぐはぐ基準に広がる困惑

 新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるためとして、韓国保健福祉省が日本などへの渡航自粛を勧告した。

 ただ、外交省は異なる見解を示しており、航空会社などで混乱も生じている。

 保健福祉省の勧告は11日付。韓国国民に対して中国以外にも、新型ウイルスの感染者が確認された日本、シンガポール、マレーシア、ベトナム、タイ、台湾の6カ国・地域への渡航自粛を求めた。同省は「世界保健機関(WHO)が感染を確認した地域」と説明した。

 だが、韓国外交省は自粛は必要ないとの見解だ。同省は国民の海外渡航に関して(1)旅行留意(2)旅行自粛(3)撤収勧告(4)旅行禁止――の4段階の警報を設ける。新型ウイルスを理由に、中国湖北省を「撤収勧告」、中国のその他の地域(香港・マカオを含む)を「旅行自粛」とするが、日本など6カ国・地域は対象外だ。

 航空会社の関係者によると、韓国政府のちぐはぐな対応により、韓国や日本の航空会社には困惑が広がっているという。政府の要請で旅行をキャンセルするならば、手数料は免除されるべきだとの声が利用客から寄せられるためだ。この関係者は「保健福祉省と外交省の見解は異なっており、対応に悩んでいる」とこぼす。(ソウル=鈴木拓也)

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