朴槿恵大統領をはじめ韓国の国家ぐるみの「反日アピール」が止まらない。慰安婦問題では、「旧日本軍が20万人の少女を強制連行して性奴隷にした」という史実と異なる嘘の主張を続け、謝罪と賠償を求めている。さらに特筆すべきは、韓国政府がベトナム戦争(1960~1975年)に参戦した韓国軍や現地に渡った民間韓国人の所業を歴史から消し去ろうとしていることだ。
ベトナムでは戦時中から韓国への憎悪が燃え盛っていた。3月12日に発売される『日本人が知っておくべき嘘つき韓国の正体』(小学館)の中で、元朝日新聞サイゴン支局長の井川一久氏は、ベトナム戦争当時の様子をこう振り返っている。
「1972年にサイゴンに赴任した直後、私の車がベトナム人青年のオートバイと接触事故を起こし、100人近い群衆に取り囲まれるハプニングがありました。興奮した群衆は『ダイハン!(※ベトナム語で「大韓」の意)』と口々に叫びながら、憎悪に満ちた眼でこちらを睨んでいる。私を韓国人と勘違いしたのです。パスポートと記者証を見せて難を逃れましたが、現地でどれほど韓国人が嫌われているかを痛感する出来事でした」
サイゴン(現ホーチミン)など旧南ベトナム地域では、韓国は友軍だったはずだ。しかし、韓国軍による同胞の虐殺、婦女子への暴行、凌辱はベトナム国民なら誰もが知るところであり、むしろそれらの地域で反韓感情は強かったようだ。
「韓国軍のベトコン掃討作戦で破壊された村の女性たちは、運良く逃げ出しても戦争難民になるしかなかった。そうした女性を売春ビジネスに送り込んだのが、民間の韓国人業者だったのです」(井川氏)
ベトナム戦争では、軍属の技術者や建設、運送業者のほか、特需に肖ろうとする商人や暴力団など総計1万5000人の民間韓国人がベトナムに渡った。そうした者たちがサイゴンやダナンなど軍事基地周辺で、韓国兵や米兵相手の売春クラブを経営していたという。
「親しくしていた在ベトナム韓国軍高官の公邸で開かれた夕食会では、アオザイ姿の美しいベトナム人少女数人が甲斐甲斐しく給仕してくれました。少女をどこで集めたのか訊くと、高官は答えをはぐらかし、『気に入った娘がいたら持ち帰って構わない』と笑うのです。少女たちが戦争難民なのは明らかでした。軍民一体の管理売春が公然と行なわれていたのは間違いない。ニンホアの白馬部隊の基地には慰安所もあった」(井川氏)
韓国教育省は先ごろ、既に検定を通過している高校歴史教科書の一部にベトナム派兵における「民間人虐殺」の記述があることを問題視し、「民間人の被害」に書き換えるよう勧告した。都合の悪い史実を改竄する露骨な歴史修正主義そのものである。
韓国の有力紙記者は語る。
「一時はベトナムでの韓国軍の蛮行を断罪する機運が高まったが、退役軍人会などの圧力で尻すぼみになってしまった。最初にこの問題をリポートした具秀ジョン(ク・スジョン)女史も、度重なる迫害を受け海外生活を余儀なくされている」
これは単なる日本から韓国への意趣返しの材料ではない。韓国が歴史を学び、真の先進国として世界と周辺国から尊敬を受ける国になれるかの試金石なのだ。
※『日本人が知っておくべき嘘つき韓国の正体』(小学館)より