2日付の英紙デイリー・メールは、韓国西南部の辺ぴな小島で奴隷制度が横行していると報じた。韓国の海塩の3分の2は新安郡の島々で生産されたものが占め、島民2200人の半数は製塩業に携わっている。だが、ここでは障害者が奴隷として働かされているという。5日付で環球網が伝えた。
記事で紹介されたキムさんは、ホームレスだった10年前にソウル駅で出会った人に仕事を紹介すると言われ、シヌイ島の塩田に連れてこられた。実は奴隷として700ドルで塩田のオーナーに買われたのだった。1日18時間、苛酷な条件で働かされ、「地獄のようだった」。初日からオーナーに殴られ続けた。「何を聞いても返ってくるのは答えではなく、こぶしだった」という。
最初の脱走は失敗したが、1週間後に再び脱走。だが、キムさんを見かけた雑貨店の息子がオーナーに通報し、結局は連れ戻された。その月の終わりにもう1度、脱走を試みたが、やはり失敗した。1年半後、ソウルの母親に手紙を出すことに成功。これをきっかけに、キムさんはようやく奴隷生活から解放された。
これを機に韓国政府が調査に乗り出したところ、同島にはキムさんのほかに63人が奴隷として働かされていた。そのうち4分の3が知的障害者だったという。