韓国の東京五輪招致“妨害”に反撃 政府 汚染水対策に470億円投入

安倍晋三内閣は3日、原子力災害対策本部会議で、東京電力福島第1原発の汚染水漏れ問題で、基本方針と、総額470億円に上る総合的対策案を打ち出し、関係閣僚会議を設置する。2020年夏季五輪の開催地決定まで秒読み段階となるなか、自民党内には汚染水問題を取り上げたネガティブキャンペーンを懸念する声が浮上。五輪招致活動にイチャモンを付けているのは、やはり、あの隣国だった。
 注目の対策案は、地下水が原子炉建屋へ流入するのを防ぐ「凍土遮水壁」の設置や、汚染水から放射性物質を取り除く「多核種除去装置(ALPS)」を拡充に国費を投入することが柱。汚染水の海洋流出を防ぐため、タンクの補強などの緊急対策にも乗り出す。
 安倍首相は2日の政府与党連絡会議で「今後は東電任せにせず、国が前面に出て必要な対策を実行する。基本方針を取りまとめる」と発言。自民党の石破茂幹事長も「国民に理解してもらえるように説明責任を果たさなければならない」と危機感を示した。
 政府・与党が危機感を強める背景には、汚染水問題が「国家の信用」に関わる重大事項であることに加え、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで7日夕(日本時間8日早朝)に開かれる国際オリンピック委員会(IOC)総会を前に、汚染水問題を取り上げた反日キャンペーンが展開されていることがある。
 8月29日の自民党の震災復興加速化本部の会合でも、出席議員から「日本を不利に導く活動が行われている」と懸念の声が相次いだ。
 特に目立つのは韓国メディアだ。最近、東京招致に疑問符をつける報道を続けている。
 今月2日付の「中央日報」は、「放射能問題の安全より五輪招致が重要なのか」と題する社説を掲載。「期限内に汚染水問題を解決できなければ、五輪招致を自主的に放棄するという覚悟を示すタイミング」と、おせっかいな忠告を送ってきた。
 8月21日付「朝鮮日報」では、「皇族の五輪招致活動に違憲の疑い」と報道。IOC総会を前に寛仁親王妃信子さまの長女、彬子(あきこ)さまと、高円宮妃久子さまがアルゼンチンを訪問され、IOC委員と面談されることを「皇族の政治活動を禁じた憲法に違反する疑いがある」などと、珍妙な憲法解釈を披露している。
 韓国の民間団体は以前から、日本で行われた特殊な「反韓・嫌韓デモ」を取り上げて、「五輪の資格なし」などと、IOCや海外メディアに訴える活動までしている。
 五輪招致のライバルであるスペイン(マドリード)、トルコ(イスタンブール)に加え、招致活動に立ちふさがる韓国。まったく、困ったもんだ。

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