日本政府が5日に新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、韓国からの入国者に指定場所で2週間、待機するよう要請したことを受け、韓国政府はもとより、韓国紙も敏感に反応した。
ハンギョレ(日本語電子版)は「日本、事前協議なしに韓国からの隔離を発表…韓日関係に大きな悪材料に」との見出しの記事を掲げ、日本政府の決定を非難した。
中央日報(同)は「韓国から来たら2週間隔離 日本へ行く道が塞がれた」と題した記事で、昨年は558万人あまりが韓国から日本を訪問したと指摘。日韓関係が冷え込んでいた中でも「留学生、ビジネス、公共交流などによる基本的な訪問需要があった」とし、「そのような状態で韓国人の入国統制を強化する場合、一般の国民の往来はもちろん、韓日間の商取引なども直撃弾を受けかねない」と経済的な悪影響に懸念を示した。
朝鮮日報(同)は「中国には一言も言えず、100カ国に拒まれる韓国外交部…日本にだけは対抗」とのタイトルの記事で、日本政府だけでなく、韓国政府にも怒りの矛先を向けた。
同紙は4日に康京和・韓国外交部長官が、韓国に対し入国を禁止する国が急増していることについて、「防疫能力がない国が入国禁止というやぼな措置を取っている」と発言したことを問題視。翌日に「医療先進国である日本やオーストラリア」が韓国からの入国に一定の条件を設けたことから、「たった一日で恥をかく羽目になった」とあてこすった。
そのうえで、「5日現在で韓国からの旅行者の入国を制限・禁止している国は合計100カ国となり、前日より5カ国増えた。感染が分かった初期に発生地・中国に対する入国禁止をためらううちに、最悪の状況を招いたという指摘が多い」と、中国に遠慮がちな韓国政府の対応に不満をにじませた。