飛沫防ぐ準備「板」全 宮城県内の公共機関窓口に透明防護板設置「安心して来庁を」

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、宮城県内の自治体などで窓口対応の多い部署のカウンターに透明な防護板などを設置するケースが増えている。来庁者と職員間の飛沫(ひまつ)感染を防止する目的で、これまで実施していた庁舎内の消毒や換気に加えた対策強化の一環。防護板を業者に依頼せず、職員が手作りして急場をしのぐ自治体もある。

 多賀城市は市内で初の感染者が確認された9日、急きょ窓口へのアクリル板の設置を決めた。地元の建築関連業者に製作を依頼し、翌日から市職員が順次、市役所本庁舎などのカウンターに備え付けた。
 大きさは縦55~80センチ、横60~90センチで、窓口に合わせて3種類を用意。書類を受け渡せるよう開口部を設けつつ、顔の部分を防護できるようにした。
 総務部の吉田学次長は「職員が感染すると行政サービスが停滞して市民に迷惑を掛ける。感染リスクを減らすための措置だ」と説明する。
 利府町は、転出入の手続きを担う町民課などのカウンターに塩化ビニール板を設置した。職員がホームセンターで材料を購入し、プラスチックで縁を補強したり、金具を取り付けたりした。
 材料費は1枚当たり850円程度。医療費の払い戻し手続きで訪れた農業佐藤豊美さん(72)は「春は役場に来ることが多い。近距離の会話は感染が怖いが、板があって安心した」と話す。
 塩釜市は、市役所本庁舎にある税務課などの窓口にシートを張った。カウンターの左右に天井に向かって突っ張り棒を立て、シートを張り巡らした上で事務用クリップで固定している。材料の一部はホームセンターで購入し、職員が一つ一つの窓口に合わせて手作りした。
 市民総務部の相沢和広次長は「機能性を重視して緊急的に設置した。市民は安心して手続きをしてほしい」と呼び掛ける。
 白石署は、許認可や落とし物の届け出などに対応する総合受付や交通課、会計課、生活安全課の4カ所に設置。堀川修署長の発案を受け、署員が市販の透明なテーブルクロスを材料に手作りした。
 佐藤昭彦副署長は「警察機能や管内の治安維持に支障が出ないよう何としても署内からの感染拡大を防ぎたい」と話した。
 白石市役所は市民課、税務課、生活環境課といった市民が訪れる窓口にビニールカーテンなどを設置。蔵王町役場は町民と接するカウンター全部に、七ケ宿町役場は、町民税務課や農林建設課の窓口に取り付けた。

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