観光ツアーで東北復興を支援しようと、埼玉県信用金庫(熊谷市)の顧客計約3000人が岩手、宮城両県を訪れることになり、3日にJR盛岡駅で第1陣の歓迎セレモニーがあった。ツアー誘致は盛岡信金(盛岡市)の呼び掛けで実現。東日本大震災で落ち込んだ観光業を大きく後押しすることになりそうだ。
ツアーは2泊3日で、小岩井農場や世界文化遺産「平泉」、南三陸温泉など岩手、宮城の観光地や温泉地を巡る。参加するのは埼玉県信金の顧客でつくる「年金友の会」のメンバー。11月10日まで、総勢約3000人が29班に分かれて訪れる計画だ。
3日は盛岡駅コンコースで、第1陣の88人をさんさ踊りなどで出迎えた。式典で谷藤裕明盛岡市長は「岩手、宮城の自然や食の文化を楽しんで」とあいさつ。埼玉県信金の橋本義昭専務理事が「東北復興の一助になればと祈っている」と述べた。
信金の顧客サークルは年に一度、旅行会を実施するなど大きな観光需要が見込める。盛岡信金は昨年7月から全国の信金に岩手への旅行を呼び掛け、これまでに1000人以上が訪れた。
今回のツアーは最大規模で、盛岡信金の佐藤利久理事長は「ツアーを機会に、継続して訪れてほしい」と期待していた。