食品の内部被曝 累積100ミリシーベルトで悪影響

食品安全委員会は27日、食品に含まれる放射性物質の健康への影響について、「おおむね生涯累積100ミリシーベルト以上で健康への影響が見いだされる」などとする評価書をまとめ、厚生労働省に答申した。答申をもとに厚労省は、薬事・食品衛生審議会の分科会を開き、原発事故後に「暫定」として設けられた値に代わる、新基準値作りを始める。
 食安委は答申にあたり、「生涯累積100ミリシーベルト」について、「外部被曝(ひばく)が著しく増大していないという現状を前提に、食品摂取による内部被曝のみの累積線量を示す値」と説明。7月に評価書案をまとめた際に示した「内部被曝に加え、食品とは関係ない外部被曝もあわせた累積線量」との見解を事実上修正した。小泉直子委員長は、外部被曝も含めた影響は「別のしかるべき機関が措置を講じることになる」などとした。
 評価書はまた、子供時代に受ける被曝について「成人より影響を受けやすい可能性がある」と指摘。累積100ミリシーベルト未満の場合の健康影響については「現時点での科学的知見からは、言及することは困難」とした。

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