食品の新基準値 年間1ミリシーベルトに引き下げへ

食品中の放射性物質の基準値について、小宮山洋子厚生労働相は28日の閣議後会見で、現行の暫定基準値で定められてる放射性セシウムの許容上限の年間5ミリシーベルトを、今後検討が予定されている新基準値では、年間1ミリシーベルトに引き下げることを明らかにした。新基準値は、来年4月をめどに適用するとしている。
 小宮山厚労相は「さまざまな課題について審議会で科学的知見に基づく検討を精力的に進め、多くの国民に納得していただく新たな基準値を設定し、円滑に実行に移していきたい」と述べた。
 食品に含まれる放射性物質の健康影響について検討していた食品安全委員会が「おおむね生涯累積100ミリシーベルト以上で健康への影響が見いだされる」などとする評価書を厚労省に答申したことを受けた措置。同省は、原発事故後に急(きゅう)遽(きょ)設けた暫定基準値に代わる新基準値作りの検討を、31日から始める。
 厚労省は、年間1ミリシーベルトの設定について、(1)これまでのモニタリング検査の結果から、多くの食品で放射性セシウムの検出濃度が低下傾向にある(2)食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の指標で、年間1ミリシーベルトを超えないよう設定されている-などから判断したとしている。
 今後は、大人に比べ放射性物質の感受性が高いとされる子供に対し、具体的にどのように配慮するのか▽1ミリシーベルトを食品ごとにどう割り当てるのか▽ストロンチウムなど放射性元素をどうするのか-といった点について検討する。

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