農林水産省は2日、2015年度の食料自給率(カロリーベース)が6年連続の39%だったと発表した。
小麦は生産量が増えたが、コメは食生活の変化を背景に消費量の減少に歯止めがかからず、自給率は横ばい傾向が続いた。
生産額ベースでの自給率は、前年度より2ポイント上昇の66%。6年ぶりの改善だったが、天候不順で一部の野菜が値上がりしたことや、子牛の頭数減を受けた畜産物の価格上昇が主因だった。
食料自給率は、国内で消費する食料をどの程度国内生産で賄えるかを示す指標。政府は25年度に45%へ引き上げる目標を掲げているが、長引く低下傾向を脱し切れていない。
国民1人当たりの年間コメ消費量は前年度比1.7%減の54.6キロで、1960年代の半分以下に落ち込んだ。反対に消費が伸びたのは1.9%増の 30.7キロとなった肉類。家畜のエサとなるトウモロコシなどを輸入に依存しているため、この輸入分が国内の食料供給から差し引かれ、自給率を押し下げて いる。
農水省は、国内の潜在的な生産能力を示す「食料自給力」も公表した。栄養バランスを考慮しながらコメ、小麦など主要穀物を中心に農地を最大限に活用して 作付けする場合で1463キロカロリー(1日1人当たり)。農地面積の減少で前年度の1480キロカロリーから低下し、必要とされる2146キロカロリー を引き続き大きく下回った。