飲食店の酒類テークアウト販売 期限付きの免許付与を検討 国税庁

国税庁は、新型コロナウイルスの感染拡大で経営に重大な影響を受けているレストランなどに対し、ワインや日本酒といった酒類を料理と共にテークアウト(持ち帰り)販売できるよう、特例として期限付きの酒類小売り販売免許を付与することを検討している。関係者が明らかにした。外出自粛で客足や売り上げが激減した飲食店などからは、売り上げ確保のため酒類の販売を認めてほしいとの声が上がっていた。

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 関係者によると、特例制度では地元の税務署に申請すれば、早期に免許を付与する方向だ。特に要望が強かった在庫の販売、量り売りを認める。

 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛要請などを受け、飲食業界の売り上げは大幅に減少しているとみられる。飲食店関連情報サイト「飲食店.COM」の会員415人を対象に「シンクロ・フード」(東京都渋谷区)が実施したインターネット調査(3月中旬)では、2月の売り上げが前年同月比で減ったとの回答は6割に達したという。回答者の3分の2が1店舗運営で、54・5%が東京の店舗だった。

 飲食店関係者からは「このままでは潰れてしまう。テークアウトの料理に酒類をつけたり、在庫のワインなどを販売したりすることができれば、売り上げが出る。認めてほしい」といった声が上がっていた。料理店に酒類や食材を提供する卸や生産業者への影響も懸念されている。

 米国のニューヨーク州では新型コロナウイルスの感染拡大を受け、レストランに酒類や食物の販売中止を求めた際、テークアウトで食物と合わせたワインなどの販売を3月中旬から認めている。【和田浩明/統合デジタル取材センター】

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