沿岸部に生息するウミネコの群れが7日、宮城県大崎市古川沢田の水田に飛来した。専門家によると、沿岸部で個体数が増えて餌不足になったため、内陸部に飛来した可能性があるという。一方、内陸部に減農薬栽培の水田が広がり、餌となる生き物が豊富になっていることも背景にありそうだ。
7日の昼すぎ、地元の主婦斎藤やす子さん(52)が、自宅の水田で羽を休めるウミネコ約10羽に気付き、撮影した。「最初は家で飼っているネコの鳴き声かと思った。ウミネコが来るなんて初めて」と話す。
県内では数年前から、ウミネコの群れが繁殖期に内陸の水田や川で餌を捕る姿が目撃されている。県伊豆沼・内沼環境保全財団の嶋田哲郎主任研究員は「結論付けるには詳細な調査が必要だが、沿岸で個体数が増え、減農薬の田んぼに生息する生き物を求めて、内陸部に飛来している可能性がある」と指摘する。
斎藤さんがウミネコを発見した水田は堆肥(たいひ)を使うなど農薬の使用を極力抑えている。「カエルや昆虫が多い、地力のある田んぼ」(斎藤さん)という。