首都圏で去年、1年間に発売された新築マンションは、新型コロナウイルスの影響で前の年から12%余り減少し、28年ぶりに3万戸を下回りました。一方、1戸あたりの平均価格は上昇し、バブル景気の時期にあたる1990年以来、30年ぶりに6000万円を超えました。
民間の調査会社「不動産経済研究所」によりますと去年、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県で発売された新築マンションは2万7228戸で、前の年より4010戸、率にして12.8%減少しました。
去年4月に緊急事態宣言が出された際、モデルルームの閉鎖が相次いだことが主な要因で、3万戸を下回ったのは地価が下落傾向になり、投資用にマンションを購入する人が減った1992年以来、28年ぶりだということです。
一方、1戸あたりの平均価格は6084万円と、前の年より104万円、率にして1.7%上昇し、バブル景気の時期にあたる1990年以来、30年ぶりに6000万円を超えました。
これは、人手不足で建設現場での人件費が上昇していることや、不動産各社による条件のよい土地の獲得競争が激しくなっているためだということです。
今後の見通しについて、不動産経済研究所は「先月の発売戸数は、都心部などで大型物件が売り出されたことから、前の年の同じ月を15%余り上回った。住宅需要の高まりも感じられ、利便性の高い物件を中心に価格は高止まりが続くのではないか」と話しています。