首都圏の集合住宅「カーシェア」広がる

■基本料+1キロ15円
 首都圏の集合住宅で、自動車を複数の会員で共用する「カーシェアリング」が広がってきた。独立行政法人の都市再生機構(UR)は2月15日、オリックス自動車と提携し、URの首都圏の団地にカーシェアを導入すると発表した。野村不動産も今年竣工(しゅんこう)する都心周辺のマンション2棟で初導入するほか、三井不動産も採用を積極化する。駅近くのマンションなどで、必要なときだけクルマを使いたい住民のニーズに応える。若者の自動車離れなどを背景に、カーシェア導入の動きがさらに加速しそうだ。
 URは、4月に東京都などの団地12カ所に1~2台のカーシェア車両を配置し、他の地域にも順次、拡大する。団地住民の利便性向上を目指すURと、カーシェアの普及を狙うオリックス自動車の思惑が一致した。
 サービスの運用はオリックス自動車が担う。住民は、初期登録費用など6250円と、月額基本料1000~2000円で利用できる。別途、走行時に1キロ当たり15円、15分ごとに200~300円が必要となる。ただ、マイカーを保有する場合に比べ6~8割程度割安になるという。
 ■駅近くの物件に供給
 野村不動産は、今年3月下旬に竣工予定の東京・池袋本町と千葉・新浦安の新築マンションにそれぞれ配備する。車両は、トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」とし、環境意識の高い住民の利用を掘り起こしたい考えだ。
 三井不動産レジデンシャルは昨年から本格的な展開に乗り出した。2010年は東京・世田谷区や横浜市など5棟、11年も東京・国分寺など5棟の物件に採用する。三井不動産レジデンシャルは、06年に東京・芝浦の物件でカーシェアを初導入した。「都心や近郊でセカンドカー用にカーシェアのニーズが高まっているのに対応し、今後も順次拡大する」としている。
 大京も08年から関東など計4棟に導入したほか、東急不動産は昨年2月竣工の神奈川・武蔵小杉の物件で初めて導入した。
 国土交通省の外郭団体である交通エコロジー・モビリティ財団調べによれば、1月時点のカーシェア車両台数は前年同月比3倍の3911台、駐車場台数は3.4倍の2917カ所に急拡大した。首都圏を中心にカーシェアの導入物件が増加したためで、野村証券では、カーシェア市場は15年頃に、09年時点の10億円超から200億~300億円に拡大すると予測している。
 (今井裕治/SANKEI EXPRESS)
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 《1月のマンション販売戸数 17年ぶりの低水準》
 不動産経済研究所が2月15日発表した1月の首都圏(1都3県)のマンション発売戸数は前年同月比13.5%減の1372戸と、月間では1993年8月(1354戸)以来、17年5カ月ぶりの低水準となった。前年実績を下回ったのは12カ月ぶり。
 不動産経済研究所は「1月はもともと供給量が少ない時期で、大手業者の目玉物件発売が少なかったのが一因だ」として、発売戸数の増加基調に大きな変化はないと指摘。発売した月のうちに売れた割合を示す契約率は73.3%と、13カ月連続で好調の目安とされる70%を超えた。
 1戸当たりの平均価格は前年同月比2.4%上昇の4238万円。今年1月末の販売在庫数は5116戸と前月末より484戸減り、在庫の圧縮が進んだ。地域別の発売戸数は、埼玉県が前年同月より88.9%減の43戸、東京23区も28.1%減の500戸、23区以外の東京も17.4%減の71戸。一方、神奈川県は93.9%伸びて506戸で、千葉県も61.5%増の252戸だった。
 2月の首都圏の発売戸数は、18.8%増の3300戸を見込んでいる。
 同時に発表した近畿2府4県の1月の発売戸数は13.6%減の1301戸と、3カ月連続で前年を下回った。

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