香港の光害は「世界最悪レベル」、夜空の明るさは基準値の1000倍

【3月21日 AFP=時事】香港(Hong Kong)の夜空の明るさは国際許容水準のおよそ1000倍で、世界最悪レベルの光害となっていることが、20日発表された香港大学(Hong Kong University)の調査で明らかになった。
 調査チームは、香港市内で500万回にも及ぶ計測を実施。その結果、人気ショッピング街の尖沙咀(Tsim Sha Tsui)地区の夜空の明るさは、国際基準の1200倍にも上った。
 人口700万人が密集する香港には、住居用高層ビルや超高層オフィスビルが立ち並び、ネオン看板があふれるが、屋外照明を規制する法律は存在しない。ロンドン(London)やシドニー(Sydney)、東京(Tokyo)、上海(Shanghai)など他の大都市に比べて香港の光害が著しいのはこのためだと、調査チームは指摘している。
 調査を率いたジェーソン・プン(Jason Pun)氏はAFPに「香港では夜に外出すると、必ず屋外照明で目がくらむ。夜空がこれほど明るいのは、エネルギーの無駄だ」と語り、過度の人工光は夜行性の野生動物に悪影響を及ぼすとも指摘した。
 調査では、光害が不眠症や頭痛などの原因となったり、体内時計やホルモンを乱したりする可能性も指摘されている。
 調査は今月23日に行われる毎年恒例の「アースアワー(Earth Hour)」を前に発表された。気候変動への意識を高めることを目的としたこのイベントは世界自然保護基金(World Wide Fund for Nature、WWF)が主催するもので、世界各地で同日夜に1時間消灯することを呼び掛けている。(c)AFP=時事/AFPBB News

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