馬を活用 森づくり 東松島で地域プロジェクト 環境配慮

東日本大震災からの復興で環境未来都市を目指す宮城県東松島市で、馬を活用して森林を整備する「美馬森(みまもり)プロジェクト」が進んでいる。森の近くには盛岡市の牧場が移転を計画。人と馬が共存できる地域をつくり、雇用創出や観光振興も図る構想だ。
 プロジェクトは一般社団法人「美馬森Japan」が企画した。代表を務める八丸由紀子さん(42)は夫と盛岡市で牧場を経営。「馬の力で森をつくり、守っていく」という夢を実現するため、牧場も移転できる場所を探していた。
 東松島市は、復興を支援する「C・W・ニコル・アファンの森財団」(長野県)のニコル理事長を介して知った。財団が市の委託で「復興の森」と名付けた市有林約8.4ヘクタールを管理していることから、協力することになった。
 メーンとなるのは林道の整備や「馬搬」と呼ばれる間伐材の搬出。馬を使うことで、環境への負荷が抑えられるという。人と馬が歩ける散策道を設ける作業は5月に始まった。
 牧場の移転予定地は森に隣接する約2ヘクタールで、3年後をめどに完了させる予定。森と牧場を一体的に活用し、体験型観光やホースセラピー、環境教育などの活動を想定する。約4000万円と見込む移転費用の一部は、賛同する企業などに寄付を呼び掛ける。
 八丸さんは「馬の魅力を生かして豊かな森をつくり、地域づくりの一つのモデルにしたい」と話した。
 27日と8月4日には東松島市の縄文村歴史資料館で、馬の餌付けや乗馬の体験イベントを開く。時間は午前10時~11時半と午後1時半~3時。市内の小学生が対象で定員は各20人。参加費は500円。連絡先は八丸牧場019(688)8166。

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