「5月1日より、このトイレに『トイレットペーパー』は設置いたしません」。高松市内のJR予讃線・端岡駅のトイレに、こんなお知らせが貼り出されていたと、X上で写真が投稿され、話題になっている。
この掲示について、一体なぜなのかと関心を集め、様々な推測が書き込まれている。JR四国の広報室に、お知らせを出した事情について取材した。
なぜペーパーを撤去?(写真はイメージ)
「国鉄時代かな?トイレットペーパーないとか…」
トイレのお知らせをX上で紹介したのは、鉄道ファンの「桃太郎」さん(@JR12107812)だ。 2024年4月12日にお知らせの写真を投稿すると、50万回以上閲覧され、写真が拡散して様々な声が寄せられている。
「国鉄時代かな?トイレットペーパーないとか…」
「詰まり事案が多発しそう」
「ちり紙の自販機復活するのかな?」
桃太郎さんは、端岡駅が3月16日から無人駅になったことから、トイレットペーパーの盗難対策なのではないかと指摘した。また、JR四国の鉄道事業が1987年に国鉄分割で民営化されてから利用の低迷などで赤字が続いていることから、「お金の問題もありそうです」と推測した。
香川県内にあるJR四国の48駅のうち36駅が無人駅で、地元の瀬戸内海放送の4日付ウェブ版記事によると、少なくとも2駅でトイレットペーパーの設置がない。うち1駅では、盗難やいたずらがあることを理由に挙げていた。この駅では、住民ボランティアでペーパーを補充しているという。
トイレの撤去も進んで、現在は30駅しかトイレがなく、JR四国では、改修資金も乏しく、できれば撤去したいとの考えを明らかにしている。12駅がくみ取り式のままになっているほか、6駅については、JR四国ではなく、自治体が維持管理をしているという。
いたずらや盗難の懸念に加え、管理の問題も
ペーパー撤去を報告した桃太郎さんは4月15日、J-CASTニュースの取材に応じ、「鉄道ファンとしてたまたま駅に来てお知らせに気づきました」と明かした。トイレットペーパーがなくても、近くにコンビニはあるという。ただ、トイレが付いていない駅があるため、車内トイレがない予讃線の列車にトイレを設置してほしいとしている。
JR四国の広報室は、15日のJ-CASTニュースの取材に対して、端岡駅トイレのお知らせは8日から掲示していることを明らかにした。このトイレは、同社で維持管理しているといい、トイレットペーパーを設置しなくなる理由については、こう説明した。
「いたずらや盗難の発生が懸念される点に加え、管理の問題もあります。3/16の駅無人化後、端岡駅には定期的に管理駅(高松駅)の係員等が環境美化や設備確認等のため巡回しておりますが、週2回程度の巡回頻度ではトイレットペーパーの補充状況を管理することが出来ないため、この度、鬼無駅等他の無人駅と同様にトイレットペーパーの設置を取り止めることとしました」
なお、ペーパーがない代替措置として、ティッシュ自販機などの設置予定はないとした。
ペーパー設置取り止めについて、住民らがどのような反応を見せたかは、こう述べた。
「お知らせを出したことで、お客様からご意見や苦情などは特に寄せられていません。また、自治体や住民ボランティアがトイレットペーパーを設置する動きはありません。なお、設置取り止め後は、お客様がお持ちのポケットティッシュ等を利用されることが想定されますが、端岡駅のトイレは汲み取り式のため、それにより詰まり・故障等は発生しません」