高まる八村人気にウィザーズが精力的な動き。海外紙が絶賛するバスケ界での“ルイ効果”とは?

2月14日(日本時間15日、日付は以下同)に行なわれたオールスターのライジングスターズ・チャレンジ。この試合に日本人として初出場した八村塁(ワシントン・ウィザーズ)は、先発センターとしてコートに立ち、14得点、7リバウンド、4アシストを残した。

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 ウィザーズは昨年のドラフト1巡目9位で八村をドラフト指名後、『NEC』とのグローバルパートナーシップ契約を締結。そして日本語版の公式サイトとツイッターアカウントを開設した。

 これまで、NBAでは数多くの外国籍出身選手がプレーしてきたが、1人の選手が入団してその選手の母国語によるサブアカウントを立ち上げたのは前代未聞のことだった。

 シーズン開幕から約4か月が経過し、ウィザーズの日本語版公式ツイッターのフォロワー数は3万6,460人(17日午前10時時点)。八村の独占インタビューに加えて、スコット・ブルックス・ヘッドコーチやブラッドリー・ビールを筆頭とする選手たちの八村評など、さまざまなコンテンツを提供している。

 そしてライジングスターズの第4クォーター残り約2分には、世界へ向けて八村とこのアカウントが発信されていた。

「今日は日本でたくさんの人たちがこの試合を観ています。“ザイオン(ウィリアムソン/ニューオリンズ・ペリカンズ)効果”はご存知かと思いますが、今、日本では“ルイ効果”が全開だそうです。彼がどれだけ人気があるかというと、ウィザーズのソーシャルメディアのフォロワー数が、昨年度から77%も増えたとのことです。さらに、ウィザーズの日本語版アカウントは、他のNBAチームのツイッターと比較しても、ここ2か月間で総インタラクション(相互作用)が全体で24位。(日本語のアカウントは)サブアカウントながら、NBAの6チームの公式アカウントよりもインタラクション数が多いんです。八村選手の人気を象徴していますね。彼は日本人初の(ドラフト)1巡目指名選手であり、ゴンザガ大で大活躍。(在学中に)英語も話せるようになりましたからね。素晴らしいストーリーです。もちろん、オールスター・ウィークエンドのライジングスターズ出場も、日本人として初めてのことです」

試合ではダンクやミドルレンジジャンパー、アシストを繰り出した八村だが、チームUSAの勝利が確定していた終盤は、ザイオンやジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)、ブランドン・クラーク(グリズリーズ/カナダ)やRJ・バレット(ニューヨーク・ニックス/カナダ)といった選手たちによるダンク合戦に。

 若手有望株たちによるダンクの数々によって、会場は盛り上がっていたものの、試合中に最も知名度を高めたのは八村だったのかもしれない。

 試合後の囲み取材でも、チームメイトのモリッツ・ヴァグナー(ドイツ)が、チームUSAのエリック・パスカル(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)と絡んでいたと記者が話すと、「実はモーは、パスカルからオフェンシブ・ファウルを誘おうとしていたんだ」と切り返し、その場を笑いの渦へと引き込んだ。そして「でも皆が『やめろ』と言ってた」と裏話を暴露。八村は流暢な英語と持ち前のユーモアを駆使し、集まった記者たちを笑わせていた。
 
 また、八村はオールスターウィークエンドの期間中に、バラク・オバマ前大統領とも会っており、「お会いすることができて嬉しかったです。彼のことは大好きなんで。ウィザーズ戦へ観戦に行きたいと仰ってました。僕としても、ぜひ来ていただきたいですね」とウィザーズへ朗報を届けていた。

 ライジングスターズは、キャリア1、2年目の選手たちが競演するエキシビジョンゲームだけに、八村がこのまま成長を続けていけば、来年もメンバー入りする可能性がある。

 そして、来シーズンに完全復活が期待されているジョン・ウォール、エースのブラッドリー・ビールとともに八村がウィザーズの中心選手となり、イースタン・カンファレンス上位の成績を残すことができれば、オールスター本戦に出場できるかもしれない。

「来年はオールスター本戦と、ライジングスターズの両方に出たいですね」と記者から聞かれた八村は、驚くそぶりもなく、冷静に「そうですね。僕の目標としても、どんどん良くなって結果を出していって、そういうところに立てればいいなと思います」と口にしており、この男の天井知らずの可能性を期待せずにはいられない。

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