高卒就職続く売り手市場 求人倍率2倍超す

就職希望の高校3年生を対象とした企業の選考、採用内定が9月16日に解禁される。宮城県内の7月末現在の新規高卒者求人数は1994年に次ぐ高水準で、 求人倍率もこの20年で初めて2倍を超えた。東日本大震災からの復興需要や景気改善に伴い、高校生の就職戦線は売り手市場が続く。
宮城労働局がまとめた7月末現在の新規高卒者求人数は7834人。前年同期を12.7%上回り、94年同期の8142人に迫った。
産業別で求人数が最も多いのは製造業の1794人(前年同期比20.5%増)。食料品や輸送用機械器具が伸びたのが大きい。以下、建設業1186人(14.9%増)、卸売り・小売業1127人(12.4%増)、医療・福祉935人(18.7%増)と続いた。
県内の新規高卒者の求職者数は4221人(125人減)で、うち県内企業への就職を希望しているのは3649人。求人倍率は2.15倍となり、前年同期を0.31ポイント上回った。
県内の高校生は09~11年にリーマンショックの影響で就職難が続いたが、震災翌年の12年に19年ぶりに求人倍率が1倍を超え、以降は売り手市場が加速する。
宮城労働局は「昨年、思うように人材を充足できなかった事業所が早めに求人を出している。従来の一般や大卒から高卒に採用対象を広げている企業も少なくない」と分析する。
求人を周辺地域の高校に限定せず県内全域に拡大してもらおうと、本年度から県内各校の情報をまとめた冊子を作成し、県内の各事業所に配布している。
県高校教育課は「生徒にとっては選択肢が広がることは喜ばしい。生徒の志望と企業が望む人材が合わないミスマッチを避けるため事前の職場訪問を勧め、しっかり見極めるよう指導している」と話した。

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