高度衛生管理やIT導入 石巻魚市場の再建案固まる

 東日本大震災で被災した宮城県石巻市の石巻魚市場の再建について、市は11日、新たな魚市場の基本計画を明らかにした。高度衛生管理や効率化を図るなどして、水産業の拠点施設としての機能を高める。市は2013年度に着工し、15年度の一部利用開始を目指す。
 基本計画は市や水産関係者でつくる卸売市場施設整備検討部会でイメージ図とともに示され、大筋で了承を得た。
 新しい魚市場は広さ約5万4000平方メートルで、石巻漁港に面した魚町地区の震災前と同じ場所に建設する。荷さばき場は大きく東西に分け、底引き網船や定置網船といった水揚げ形態ごとにゾーンを設定する。
 水産物の安全・安心を確保するため、高度衛生管理を導入。雨ざらしだった岸壁は屋根で覆い、鳥害や直射日光を避ける。荷さばき場の建物は人と電動フォークリフトしか出入りできないようにする。トラックは岸壁に乗り入れられるが、タイヤの洗浄を義務付ける。
 水揚げや入札、運搬がより効率的に進められるよう、漁船の水揚げ情報や買い受け人、トラックの入退場などの情報をIT(情報技術)化し、魚市場が管理することも検討する。
 市は基本計画をベースに基本設計の作業に入り、事業費を積算する。高度衛生管理の実現に向け、関係者による新たな組織も設立する考え。
 石巻魚市場の須能邦雄社長は「水揚げの現状に合わせ、段階的にやれることからやっていきたい」と話した。

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