来春卒業予定で就職希望の高校生の就職内定率が10月末時点で57.1%で、過去最大の下落幅だった前年同期から1.9ポイント上回ったことが14日、文部科学省の調査で分かった。ただ、2年前と比べると依然10ポイント近く低く、文科省は「厳しい不況で、高校生の就職状況は好転していない」と分析している。
調査対象は、全国の国公私立高校を卒業予定の約107万人のうち、就職を希望する約18万7000人で、内定者は約10万7000人だった。2年前の内定率66.8%と比べると9.7ポイント下がっているうえ、ピーク時の1990(平成2)年同期比では27.2ポイント低い。
男子の内定率は前年同期より2.1ポイント増の61.5%、女子が1.2ポイント増の50.8%とそれぞれわずかに回復した。
都道府県別では富山が78.3%で最も高く、岐阜75.1%、福井73.7%と続いた。最も低かったのは沖縄の24.7%で、続いて北海道33.6%、宮城39.8%の順だった。
3月の高校卒業までに内定者は増える見込みだがが、今年は大学生の内定率も同期で過去最低となっており、今後も厳しい就職状況が予想される。文科省は「ここからが正念場。高校とハローワークで連携し、きめ細かな就職指導を徹底してほしい」としている。