「数字もってる」=視聴率を稼げるタレントを、日々テレビマンたちが血眼で探しているように、雑誌編集者らも「誰を表紙にすれば、誰の特集を組めば売れるのか」と日夜必死に考えている。
昨今、女性人気が急上昇している男性タレントには、「共通点がある」と某女性誌編集長がいう。
それは今年36才だということ。たとえば昨秋、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)に出演し、その主題歌『恋』が大ヒット。大ブレイクし、「睡眠時間1時間」と女性週刊誌に報じられたばかりの星野源。
そして『カルテット』(同)でメジャーとなり、『おんな城主 直虎』(NHK)で、柴咲コウ演じる“おんな城主”との絆に生きた小野但馬守政次を演じ、CM契約社数を急上昇させている高橋一生も36才だ。
そんな高橋は、先月20日、『~直虎』で壮絶な死を遂げ、世の女性に「政次ロス」が広がっている。果たして放送回3日後に発売された“追悼アルバム”ともいうべき『鶴のうた』は、サントラ盤としては異例の2.5万枚を売り上げているという。
そして、36才の横山裕(関ジャニ∞)が表紙やグラビアに登場した『anan』のSEX特集が「いまも売れている」と女性誌編集者の間でおおいに話題となっている。
発売は8月9日。通常、翌週には新しい号が書店に並ぶ同誌だが、特集によっては継続して販売されるうえ、横山が登場したSEX特集は「通常の4倍ほど刷っている」とのことで「まだまだ動いている」というのだ。
横山は、関ジャニ∞のメンバーとして全国区であることは間違いないが、いまや全曜日にレギュラーをもつ村上信五や、メインボーカルともいうべき渋谷すばる、イケメンとして人気が高い大倉忠義や錦戸亮に比べると、やや目立たない存在だった。
それが『anan』で、淋し気な表情や優しい笑顔、約2年間、鍛えてきた腕や肩、胸などに「実は横山くんをいいと思っていた」とカミングアウトした女性がSEX特集を買いまくったというのである。
星野、高橋もまた「魅力再認識」組である。実は女性というのは、「前から知っていた」「私のほうが(あなたより)古い」と女友達の前で自慢したいようなところがあるもの。
以前から密かに目を付けていた横山、星野、高橋が一気にメジャーな存在となり、「ほらね」「やっぱりね」と今度は声を大にして熱き想いをアピールする女性たちが、彼らを「数字もってる」男たちにのし上げているというワケだ。
調べてみると、V6の岡田准一や嵐の大野智に加えて、星野と共に“逃げ恥”で人気者の仲間入りをした大谷亮平も36才。大谷は今秋『片想い』(WOWWOW)に出演するが、彼が03年、韓国でモデルとしてブレイクする前から「知っていた」日本の女性ファンは、いま自慢で自慢でしかたがないだろう。
そんな「36才男子」は、年下のアラサー女性からも年上のアラフォー女性からも「圏内」。テレビでいうなら、F1層(20~34才の女性)もF2層(35~49才の女性)のどちらをも虜にしていることになる。
ゴールデンタイムでは、このF1とF2の視聴率獲得を大命題に掲げている番組が大半であり、この層の数字が獲れていることはスポンサーへの大アピールにも繋がっている。
10代、20代から地道に活動してきて、30代半ばになり大ブレイクした「36才男子」は雑誌もテレビも救う? 他にも、秦基博や、“ミュージカル王子”の一人・浦井健治、個性派俳優の浜野謙太も36才だった。
そう言えば、高橋一生と浜野謙太は「キリン氷結」、星野源はやはり36才の妻夫木聡と「サッポロ」の“大人エレベーター”のCMで共演している。広告業界は既に「36才男子」ブームに気づいていたのかも?