高速道整備、防災重視で整備 被災地3路線のルート決定

 国土交通省は30日、東日本大震災の復興策としておおむね10年以内の整備を目指す三陸沿岸道路(三陸縦貫、三陸北縦貫、八戸久慈)、東北横断自動車道釜石秋田線の花巻―釜石間、東北中央自動車道の霊山―相馬間の計3路線のルートを決定した。
 三陸沿岸道のルートは住民の避難や救援、支援活動も想定。進行方向を限定し、接続する道路と直線的に結ぶ簡易型インターチェンジ(IC)は、当初計画に宮古市田老の1カ所を追加し、計22カ所とした。
 このうち入り口を下り線、出口を上り線に設定したのは8カ所。10カ所は入り口を上り線、出口を下り線とした。陸前高田市気仙町、宮古市山口、岩手県田野畑村菅窪、同県野田村野田の4カ所は、上下線で乗り降りできる簡易型ICとなる。
 ルートは3路線とも500メートル幅で公表され、前回公表時から大きな変更はなかった。今後、各市町村で策定が進む復興計画との調整を行いながら具体的なルートを定め、早期の事業化を目指す。
 ルート決定について、村井嘉浩宮城県知事は「一日も早い整備が被災地の再生と復興をけん引し、命を守る道として機能することを期待したい」との談話を発表した。菅原茂気仙沼市長は「今後の復興に弾みがつくと期待している。新内閣は第3次補正予算で全線事業化を確実に進めてほしい」とコメントした。

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