警察庁は13日、高速道路の最高速度を現行の時速100キロから110キロへ試験的に引き上げる区間について、静岡県の新東名高速道路50.5キロ区間と、岩手県の東北自動車道30.6キロ区間を選定したと発表した。2017年度にも試行を始める。検証結果を踏まえ、事故の発生状況や実際の走行速度に目立った変化がなければ、最終的に120キロに引き上げられる見込み。

試行区間は新東名が新静岡-森掛川インターチェンジ(IC)、東北道が花巻南-盛岡南ICの上下線。今年3月に有識者らを交えた警察庁の調査研究委員会が引き上げを提言し、管轄する静岡、岩手両県警が試行区間を検討してきた。

いずれも事故率が特に低く、新東名は提言で示された144.7キロ区間のうち、3車線の割合が57%と多い上、高速隊による監視態勢が整っている区間が選ばれた。

両県警は新たに必要な速度標識などの整備について、高速道路各社と近く協議に入る。標識は120キロ化を見越して発光ダイオード(LED)の可変式を採用し、準備が整い次第、試行を始める。

警察庁は試行開始後、少なくとも1年分のデータを収集・分析する。安全対策なども含めて検証し、120キロ化や区間の拡大、他の高規格の関越道、常磐道、東関東道、東名高速、九州道への導入の可否を判断し、上限速度を100キロと定めた交通規制基準を変更する。