今年1~9月に、万引きで摘発された65歳以上の高齢者が2万82人に上り、過去最悪だった昨年を上回るペースになっていることが警察庁のまとめでわかった。
事態を受けて同庁は14日午後、「万引き防止官民合同会議」の初会合を開き、小売業や防犯協会など31団体と対策を協議する。
同庁によると、9月までに摘発された万引き犯は昨年同時期並みの計7万6747人。世代別では14~19歳の少年が昨年同時期より154人減って2万681人だったが、高齢者は141人増えた。高齢者の万引き犯は昨年まで19年連続で増えている。
高齢者を巡っては、警視庁が9月から、50歳以上の容疑者が取り調べで、「生きがいのなさ」や「孤独」を訴えた場合、地域のサークルなどを紹介して再犯防止効果を調べるなど対策を進めているが、会議では、万引き犯と接する機会の多い小売業者らの意見を参考に、新たな対策を検討する。