魚の汚染を見ていますが、5月まではヨウ素が中心、それ以後はヨウ素の半減期が短いので、セシウムの汚染が進んでいます。やはり魚は「どこの魚、なんの魚」というのは必ずしも一律に言えないようです。そこで、6月以後で「20ベクレルを超える値が観測された魚と100ベクレルを超えるかなりの汚染が見られた魚」の二つをリストアップしてみました。
【100ベクレルを超えた魚など】
カタクチイワシ、マダラ、ヒラメ、カレイ(マコガレイ)、アラメ、アイナメ、シラス、アナゴ、ミズダコ、イカ、アワビ、イワナ、(特に1000以上)ヤマメ、ウグイ、アユ、ホッキガイ、ムラサキウニ
【20ベクレルを超えた魚など】
サバ、サンマ、スズキ、シラス、イワガキ、ウグイ、ニジマス、ウナギ、
(4月5月に汚染されていた魚)
サバ(マサバ、ゴマサバ)、イワシ(カタクチイワシ)、アイナメ、シラウオ、
特に高い(たとえば1000ベクレル以上)のもの
ワカメ、コンブ、コウナゴ、イカナゴ、
【20ベクレルを超えた魚など】
アナゴ、カレイ、チョウセンハマグリ、アサリ、ナマコ、シジミヤマトシジミ)、
地域は北海道の太平洋側、青森、岩手、宮城、福島、茨城、神奈川、静岡の太平洋側です。
ベクレルの値はいずれも1キログラムあたりで、この数値を100で割るとおおよそ1年間のミリシーベルトの内部被曝になります。つまり20ベクレルなら0.2ミリシーベルト、100ベクレルなら1ミリシーベルトです。私の計算方法ですから(このブログに解説をしてあります)、他の食材の汚染も考慮しています。
【結論】
魚屋さんの店頭や、ニュースで毎日のように報道されない場合は、上記の魚は食べない方が良いでしょう。国の暫定基準は食材だけ、セシウムだけ出5ミリシーベルトですから、それに空間からや土ホコリを考えるとかなり高くなってしまうからです。
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笠間市の土の汚染について、以下のような情報を寄せていただきました。笠間市以外の茨城県の土壌汚染も公開されています。笠間市の結果について「どのぐらいの量か」を考えたいとおもいます。他の地域でも参考になります。
「笠間市はセシウム134とセシウム137の合算で 45000ベクレル/㎡となっています。この数字をどう考えるべきでしょうか?
県内においても非常に高い数値です。でも、ほとんどの住民はこの数字を重くみないでしょう。」
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(注)計算の前提として、この値が「1平方メートルあたりであって、1キログラムあたりではない」ことを確認する必要があります。空間線量から見ると低いので、お手数ですがどのような方法で測定したかを市に問い合わせてください。
法律(国の規則なども含む)では、セシウム(134や137)は1グラムあたり1000ベクレル以上になると「放射性物質」になって普通の人は取り扱えないようになっています。
笠間市の場合、1平方メートルあたりですから、これをグラムに直す必要がありまうが、汚染1年目なのでチェルノブイリの経験(20年で20センチの深さに到達)によると平均して地表から5ミリ(0.5センチ)になっています。
従って、1平方メートル=10000平方センチですから、これに深さ0.5センチをかけると5000立方センチ=約2500グラム(表土の平均比重は0.5ぐらいだから)になります。
観測された45000ベクレルを2500グラムで割りますと、1グラムあたり18ベクレルで放射性物質には当たらないことになります。一安心です。
でも、この結果は考えさせられます。まず第一には、つまり日常生活では「自分の住む周りに「放射性物質かどうか?」と考えるようなものはまったく存在しません。また、土壌を採取して重量を量り、ベクレルを測定するので、「グラムあたり」になるのですが、測定方法がハッキリしないという点があります。
第二には、自治体が測定結果を出すのは進歩なのですが、その結果を法律に照らして安心できるかどうかを数値を示して説明することがいります。これができないのは、福島原発事故以来「安全だ」と言っているのが法律違反の数値ですから、本来、法律をまもる立場の自治体としては恥ずかしくて口に出せないのでしょう(前に言ったことと矛盾するのでそれを追及されるからというのが本当と思いますが)。
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今後、どこかで土壌の汚染がでたら、
{1平方メートルあたりのベクレル}÷2500
が100に近づいたら警戒し、1000を超えたら直ちに標識をたてて人の出入りを禁止する必要があります。また1キログラムあたりで数値が出ている場合は、セシウムの場合、134と137を合算した量が1000を超えると、放射性物質ですから、100ぐらいから要警戒です。