鯨フォーラム、石巻で14年ぶり 商業捕鯨の展望探る

捕鯨産業や鯨食文化の継承を考える「全国鯨フォーラム2021石巻」が17日、宮城県石巻市開成の市複合文化施設で始まった。全国から水産関係者が集まり、2019年の再開から2年がたった商業捕鯨の課題や展望について意見を交わした。

 捕鯨基地を抱える自治体や国の関係者ら約500人が出席した。商業捕鯨の再開に尽力した水産庁資源管理部の諸貫秀樹参事官が基調講演。18年に日本が国際捕鯨委員会(IWC)から脱退した経緯や、クジラの個体数調査などで得た科学的根拠に基づく捕鯨の在り方を解説した。

 「くじらを活(い)かした地域振興」と題したパネル討論もあった。和歌山県太地町の三軒(さんげん)一高町長や石巻市の飲食関係者ら5人が、鯨肉の加工法や若年層への消費拡大、クジラの観光資源化について意見を述べた。

 市内で中国料理店「揚子江」を営む今野美穂社長は、鯨肉を使ったメニュー開発やクジラのPR活動といった取り組みを紹介。「地元だから食べられる新鮮なクジラを生かした商品を作りたい」と語った。

 フォーラムは07年から毎年開かれ、石巻での開催は14年ぶり。18日は関係者が鮎川地区の観光施設「おしかホエールランド」や捕鯨会社を視察する。東日本大震災の津波で被災した展示捕鯨船「第16利丸」への乗船も再開される。

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