鳥の海に湯煙戻る 被災「わたり温泉」修復

 東日本大震災で被災した宮城県亘理町の町営温泉施設「わたり温泉鳥の海」の修復が完了し、3年半ぶりの営業再開を前に21日、プレオープンした。本格再開は10月4日。30日まで町内の仮設住宅で暮らす1200人を無料招待する。
 午前10時に開店すると、招待券を持った仮設住民が次々と来訪。5階にある内風呂や露天風呂に漬かり、復興途上の沿岸の風景を眺めた。
 無職岩崎八重子さん(80)は「仮設住宅の風呂は狭くて入った気がしない。震災前と同じように気持ち良かった」と笑顔で話した。
 温泉は同町荒浜地区で2002年に見つかり、現在の施設は08年に営業を開始。震災では1階が津波で冠水する被害が出たが、源泉は残った。
 町は同地区の観光復興の目玉として再開の準備を進める。震災前にあった宿泊部門やレストランは再開後も休止し、日帰り入浴のみ受け付ける。

タイトルとURLをコピーしました