鳥人間コンテストV2機、復元・展示へ 東北大学生ら結集

滋賀県の琵琶湖で毎年7月に開かれる「鳥人間コンテスト」の常連、東北大人力飛行部「ウインドノーツ」が、東日本大震災のあった2011年と翌12年を連覇した機体の復元に取り組んでいる。仙台市科学館(青葉区)にことし夏から常設展示され、震災に打ち勝って栄冠をつかんだものづくりへの思いを子どもたちに伝える。
 復元するのは、炭素繊維強化プラスチックが骨組みの人力飛行機。翼幅が35メートルもある割に重量は約30キロと軽い。11、12年の優勝機の部品を一部使用するが、大部分は作り直す。両機のデザインを組み合わせた複合モデルにする。
 部活動の現役を引退した3年生以上の学部生と大学院生が昨年12月から、週末に科学館へ集まり作業している。材料費の約120万円は工学の振興を支援する財団から助成を受けた。
 ウインドノーツは工学部生を中心に約30人で活動し、1993年の発足以来ほぼ毎年コンテストに参加。ペダルを踏んでプロペラを回し、飛び立ってから着水までの距離を競う「人力プロペラ機ディスタンス部門」に出場してきた。
 機体の部品のほとんどは手作りで、毎年改良を重ねた。06年、08年に優勝、07、10年には準優勝し、他団体が「打倒東北大」と口をそろえる強豪に成長した。
 11年は震災後、活動を1カ月間停止した。再開後の部員らの追い込みが奏功し、18.687キロを飛んで優勝。翌12年は14.129キロの記録で連覇した。
 科学を通じた子どもたちの復興プロジェクトに取り組む科学館が、機体の復元と館内展示を提案した。優勝機は3階のエントランスホールに展示される。
 11年度代表の白畑大樹さん(24)=大学院工学研究科=は「部員の多くはエンジニア志望。ものづくりへの熱い思いを被災地の子どもたちに伝えたい」と話す。

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