鹿角のクマ被害で秋田県が隣接4県に入山禁止措置の周知要請

クマ

秋田県は21日、同県鹿角市十和田大湯の山林で、行方不明男性を捜索していた警察官2人がクマに襲われた人身被害を受け、現場の入山禁止措置を周知するよう青森、岩手、宮城、山形の隣接4県に要請した。秋田県が広域でクマ被害防止を呼びかけるのは初めて。

 警察官は男性とみられる遺体の搬送中だった。県は複数の人がいる中で襲われたことを重視し、積極的に人を襲う危険な個体と判断。また、現場付近は山菜のネマガリダケが採れ、男性も青森県から訪れていたため県外に周知することを決めた。

 入山禁止エリアに指定されたのは鹿角市十和田大平地区と秋田県小坂町の「樹海ライン」沿いの2カ所。

 県は21日、県内市町村と県警など計43団体の担当者らが参加した緊急対策会議をオンラインで開き、住民への注意喚起と情報共有を強化することを確認した。

 県自然保護課によると、県内で同日までに3件計4人がクマに襲われる被害が発生し、昨年4、5月の計3人を上回った。千葉崇課長は「山菜はクマにとっても貴重な餌になる。山菜採り自体が危険を伴う活動であるとの認識を強めてほしい」と強調した。

林道整備して遺体搬出へ

 秋田県警鹿角署などは21日、署員2人がクマに襲われた現場で発見された身元不明の男性遺体を収容するため、重機を使って数百メートルにわたり林道の拡幅などを行った。遺体搬出は22日にも実施する見込み。

 遺体は林道から約50メートル先の斜面にあり、22日に車で通れる道を整備する。安全確保に向けた対応を市や地元猟友会と協議している。

 遺体は18日に見つかったが、クマによる署員の被害で搬出作業は中断している。

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